時間外労働削減に向けた取組みを行う際に中小企業が活用したい助成金

Posted on 2019/12/06

   2020年4月より、中小企業についても時間外労働の上限規制が適用されることから、36協定の見直しを進めている企業も多くあるかと思います。特に、月45時間を超える時間外労働が生じ、特別条項の適用が常態化している企業では、業務自体の見直しが欠かせません。国は、このような中小企業を支援するために時間外労働等改善助成金を設けています。この助成金はいくつかのコースに分かれていますが、ここでは長時間労働の見直しのため、労働時間の縮減に取組む企業に対して支援が行われる「時間外労働上限設定コース」を紹介しましょう。

 

[1]助成金を受給するための取組み

      1. 支給の対象となる取組み
           この助成金は、時間外労働の削減に向けた取組みを行う企業に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。例えば以下の取組みに必要な費用が助成対象になります。
          • 外部専門家によるコンサルティング
          • 就業規則などの作成や変更
          • 労務管理用機器の導入や更新
          • 人材確保に向けた取組み
          • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新 など
      1. 助成金が支給された活用事例
           時間外労働等改善助成金のこのコースは、昨年度も設けられており、取組みを考える上で参考となる活用事例として、以下のものが示されています。

[2]対象となる事業主

   助成金の対象となる事業主は、2017年度または2018年度の36協定において、特別条項を締結している中小企業で、実際に、特別条項が適用された月が複数月あった従業員がいること、または特別条項に該当する従業員が単月に複数名いることが要件となっています。
   助成金を受給するためには、この要件に該当したうえで、定められた成果目標の達成を目指して取組みを実施する必要があります。具体的には、2019年度または2020年度に有効な36協定の「延長することができる時間数」を短縮し、以下の成果目標として示されているいずれかの上限設定を行い、労働基準監督署へ届出を行う必要があります。

<成果目標>
(1)時間外労働時間数で月45時間以下かつ、年間360時間以下に設定
(2)時間外労働時間数で月45時間を超え月60時間以下かつ、年間720時間以下に設定
(3)時間外労働時間数で月60時間を超え、時間外労働時間数および法定休日における労働時間数の合計で月80時間以下かつ、時間外労働時間数で年間720時間以下に設定

   (1)~(3)の成果目標に加えて、週休2日制の導入に向けて、4週当たり5日から8日以上の範囲内で休日を増加させることを成果目標に加えることができます。

 

[3]助成金の支給額

   この助成金では、[2]の成果目標(1)~(3)の達成状況に応じて、支給対象となる取組みの実施にかかった経費の一部が助成されます。具体的には、以下のいずれか低い額です。

  • 1企業あたり上限200万円
  • 上限設定の上限額(表2)および休日加算額(※1)の合計
  • 対象経費の合計額に補助率4分の3を乗じた額(※2)

※1 [2]の成果目標に加え、週休2日制の導入に向けて休日を増加させた場合、休日加算額が支給されます。
※2 一定の要件を満たした場合、補助率が5分の4となります。

   活用にあたっては、事業実施計画などの必要書類を2020年1月8日までに労働局雇用環境・均等部(室)へ提出し、2020年3月10日までに支給申請を行う必要があります。その他、様々な要件がありますので、利用にあたっては最新情報をご確認ください。

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