最低賃金の対象となる賃金と歩合給における最低賃金の考え方

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先日、厚生労働省からすべての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申された旨の発表があり、2019年度の最低賃金も大幅な引上げが行われることが確実となりました。最低賃金改定時には、自社の従業員の賃金が最低賃金を下回っていないかの確認が求められます。そこで今回は、最低賃金の確認方法とその注意点についてとり上げます。

[1]最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象となる賃金は、「毎月支払われる基本的な賃金」とされています。すべての手当を含めることはできず、実際に支払われる賃金から以下の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

1.臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
2.1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
3.所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
4.所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
5.午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
6.精皆勤手当、通勤手当および家族手当

特に6.にある、精皆勤手当、通勤手当、家族手当の3つは勘違いをしやすいものですので、最低賃金を確認する際には対象となる賃金のみが計算の基礎となっているかを確認しましょう。

 

[2]歩合給の場合

完全歩合給の場合、歩合給によって計算された賃金の総額を月の総労働時間数で除した金額が、最低賃金を下回っていないかどうかを確認することになります。
例えば、ある月の総支給額が190,900円であり、そのうち歩合給が184,000円、時間外割増賃金が6,900円、この会社の1ヶ月平均所定労働時間が月170時間、この月の時間外労働時間が30時間であった場合を考えてみます。図で表すと下記のようになり、(A)の部分の時間当たりの賃金額が最低賃金を下回っていないかを確認することになります。

所定労働時間に関係なく、この歩合給を得るために働いた月の総労働時間をもとに時間当たりの賃金額を算出することになり、歩合給184,000円を200時間(所定労働時間170時間+時間外労働時間30時間)で除することで、920円と計算されます。この920円と最低賃金を比べることになります。

 

最低賃金は、雇用形態に関わらずすべての労働者に適用されます。そのため、企業にはパートタイマーや嘱託社員などさまざまな雇用形態の人を含め、チェックすることが求められます。