増加を続け、深刻さが増す「いじめ・嫌がらせ」の相談件数

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先月、厚生労働省より「平成30年度個別労働紛争解決制度施行状況」の集計結果(以下、「集計結果」という)が発表されました。個別労働紛争解決制度とは、個々の労働者と事業主との間の労働関係に
関する紛争について実情に即した迅速かつ適正な解決を図るためのものであり、具体的には、都道府県労働局内や労働基準監督署内に設置された総合労働相談コーナーでの総合労働相談、都道府県労働局長の助言・指導制度、紛争調整委員会のあっせん制度の3つの方法があります。

 

1.集計結果の内容

今回の厚生労働省の発表を見ると、平成30年度に寄せられた総合労働相談件数は1,117,983件と11年連続で100万件を超え、高止まりとなっています。また、労働基準法上の違反を伴わない解雇、労働条件の
引下げ等のいわゆる民事上の個別紛争に関する相談も266,535件と前年度比で5.3%の増加となり、依然として多くの相談が寄せられていることが分かります。
このうち直近5ヶ年度の主な個別紛争の動向をグラフ化したのが以下の図表になります。内容別で見ると、トップは「いじめ・嫌がらせ」に関する相談で、82,797件と前年度比で14.9%の増加となり、
過去最高となっています。

2.パワーハラスメント防止対策の法制化

「いじめ・嫌がらせ」は、近年、職場で問題視されているパワーハラスメントと同じものと捉えることができます。このパワーハラスメントについては、今国会で防止のための雇用管理上の措置義務が新設され、今後、セクシュアルハラスメントやマタニティハラスメントと同様に、社内方針の明確化や相談体制の整備などが求められる予定です。

 

法の施行時期は改正法が公布された2019年6月5日後1年以内となっていますが、集計結果のとおり
「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が増えていることから、特に管理職を対象としたハラスメントの研修会を定期的に実施するなどして対策を着実に行うことが求められています。